こんにちは。AIキャリアシミュレーションアプリVIEWのメディア担当の安達です。
本日は法政大学を卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に入社され、その後、波佐見焼食器を開発・販売する会社にてブランドPR等を担当される田代さんにお話を伺ってきました。
「コミュニケーションが好き」と語る田代さんは、なぜ今の会社へ転職されたのでしょうか。
――――自己紹介をお願いします
田代 尭(ぎょう)と申します。
法政大学のキャリアデザイン学部を卒業し、現在社会人5年目になります。
新卒でTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以降CCC)に入社し、現在は長崎の波佐見町で作られる波佐見焼という食器を販売する会社に勤めています。
――――波佐見焼についてお伺いしたいところですが、まずは1社目でCCCを選んだ理由を教えて頂けますか?
元々映画が好きで、エンタメに携わりたいと考えていました。
大学生の時に『学年×100本の映画を見る』という目標を立てて行動していたこともあり、映画会社への入社も考えていました。
ですが映画そのものを届けるのではなくて、『映画を見るような生活を提案したい』と考えるようになり、まさにこの『ライフスタイルの提案』を掲げていたCCCに入社しました。
本屋が本だけを売るのではなく、本がある生活を提案する。物を売るのではなく、夢や憧れを売る。
こういったお客様のライフスタイルを提案するというビジョンに共感しました。
――――ライフスタイルの提案についてもう少しご説明頂けますでしょうか?
ライフスタイルの提案について話すにあたって、先にCCCのお話をしますね。
そもそもCCCというのは雑誌の販売から事業が始まっていて、その後映画等のレンタル事業を始めているんです。
TSUTAYAというのはCCCの事業の一つで、主に書籍や映画/音楽コンテンツの販売(レンタル)をしています。ですがCCCは映画という『物』を提供する会社ではなく『映画がある生活』つまり『夢』や『憧れ』を提供する会社なんです。
映画を見ると、『主人公のような暮らしをしたい』といったような、ストーリーや登場人物の生活などに対する『憧れ』を感じる事もあると思います。
CCCではその『憧れ』という感情をリアルの店舗でも提供したいという考えを持っています。ですので、TSUTAYAというのは、映画をレンタルしている建物ではなくて、『行くと憧れや夢が発見できる場所』を目指しています。
――――そのようなビジョンがあったのですね。そのCCCでの田代さんの業務はどのようなものだったのでしょうか?
CCCではブランド管理部への配属になり、主に直営店舗の担当をしていました。
私は代官山の蔦屋への配属になり、接客販売をはじめディスプレイや仕入れなど、ブランドや商品のPR業務に関わっていました。
代官山の蔦屋に1年勤務した後、二子玉川の蔦屋家電の配属になりました。
映画の担当を希望していたのですが音楽フロアの担当になり、音楽コンテンツ(CD・レコード)売り場の企画やオーディオ家電の接客販売、また、社内のマーケティング担当の方と一緒に売り場のディスプレイを作っていました。
『お客様の想像を超えた経験』を提供したい
――――田代さんは業務の中でどのように『ライフスタイルの提案』を意識されたのでしょうか?
私を含め、人は誰しも『自分の想像を超えた体験をしたい』という風に考えていると思うんです。
分かり易い例で言えばウィンドウショッピング。
洋服を見ていて、『あ、この色良いじゃん』という感覚は多くの人があると思うのですが、こういった経験は実際に歩いてみないと出来ない経験なんです。この経験を店舗で体験出来るように意識していました。
例えば、全然違うジャンルの本が隣り合って置いてあるなど、そういった場を意識的に作っていました。ですので、実は代官山のTSUTAYAは検索性が低い店舗になっているんです。どこに何があるかぱっと見ではわからない。
だから『偶然の出会い』が生まれる。
全然興味が無かったものに対して『あれ?これ案外面白いじゃん』というような新しい発見や憧れを抱いてもらえるような、つまりライフスタイルを提案出来るような店舗作りを目指していました。
――――少し話が戻るのですが、年に何百本も映画を鑑賞されていたとのことですが、映画のどういった点が好きなのでしょうか?
そもそも自分が映画を好きになった理由というのも、映画が好きというよりも人とのコミュニケーションが好きで、そのきっかけに映画を使っていたんです。
映画に興味がないという人はいるかとは思うのですが、「映画が嫌い」と言う人っていないと思うんです。逆に映画が嫌いな人ってちょっと面白い。『どうして映画が嫌いなんですか?』というようなコミュニケーションのきっかけにもなりますからね。
『今日なにか面白いことあったかなー』
――――人とのコミュニケーションのどういう点が好きなのでしょうか?
私にとって、食事をしていても一人でテレビを見ていても…大きく言えば生きている中で「そういう考えの人もいるんだ、へぇ~!」と感じられる瞬間が一番楽しいんです。
大学生の頃から本格的に映画を見始めて、その映画に関して人と話す機会が多かったのですが、直接話すだけでなくブログやSNSで発信していた時期もありました。
ですが、SNSとはまた違った調子で自分の思ったことを喋ってみたいと考え、大学二年の頃から毎週金曜日に二時間、ラジオでこの一週間で自分が触れたものや感じた事を話していました。
日常生活を『何か面白いことないかな』というスタンスで過ごすと毎日が凄く有意義になるんです。
1日寝る前に『今日なにか面白いことあったかな』って考えるだけで、すごく充実するんです。このように考えていると他人のちょっとしたミスも自分のミスも笑い話にもできる。
人として凄くおおらかになれるんです。
ちなみに私はこの話したくてたまらない事を、ネットラジオの他に月1回の美容院と季節に1回行く献血で発表していました (笑)
――――ネットラジオでの発信についてもう少しお話し頂いてもよいでしょうか?
ラジオは、活字で感じる感覚よりも一段階自分の肌に近いものだと考えています。
ラジオは聞き手の顔が見えないから話し手側が話しやすいという点もありますし、逆に聞き手も話の内容を想像しやすいというのも魅力の一つなんです。
例えば私が旅行の話をしたとしても、旅行のイメージというのは人によって若干違っていて、その人なりの一番面白いシーンやヒヤヒヤしたシーンを想像する、つまり想像力を最大限に働かせているんです。
そういった相手の想像力に任せるというのもラジオの凄く楽しい一面でもありますね。
昔からおしゃべりが凄く好きで、人の話を聞くのも好きですし、話を聞いて貰うのも好きです。
言葉は発言したら取り消せない
――――なぜそんなに人とのコミュニケーションが好きなのでしょうか?
通っていた高校が帰国子女の多い学校だったんです。
そんな中で、私は東京生まれ東京育ち。特別な経歴があるわけではないので、自分のパーソナリティーというのは、『私はこういう人間ですよ』と伝えないと分かってもらえないので不安でした。
『私はこういう人間ですよ』と言えば分かってくれるけど、言わなきゃわかってもらえない。逆に自分も人の話を聞かないと分かってあげられない。
同じものを見ていても、同じものを食べていても、『同じように感じているだろう』と勝手に思っていても実は全然違うような感じ方をしていることもあると思うんです。
ですので、『この人はどういう発言をしたらどういう印象を受けるか』ということをしっかりと考えるようにしています。
文字はじっくり考えた上で書くことが出来ますが、言葉は一度口から発したら二度と取り消せませんからね。
なので、『こういうことを聞いて相手のことをもっとよく知りたい』とか、『こういうことを伝えて自分のことをもっとよく知ってほしい』というのはよく考えています。
――――ライフスタイルの提案や人とのコミュニケーションという観点で見るとCCCでの業務は充実していたかと思うのですが、なぜ転職を考えられたのでしょうか?
大きくは2つあります。
一つ目は自分がこの先どう過ごしていくのかがイメージできなかったからです。
私は接客業も好きですし、ライフスタイルの提案も好きです。お客様に対する提案力も鍛えていきたいとは考えてはいました。
ですが当時の私は提供する商品への愛着と知識が不足していたんです。知識はまだしも愛着が不足しているのはきつかった。
商品に愛着があれば熱を込めて人に伝える事が出来ますが、それが無かったので仕事中にお客さんと、自分が一番好きなはずのコミュニケーションを取っている時に熱が入っていない事に気付いたんです。
そこで、『自分が一番熱の入るものってなんだろう』と考え、転職を検討し始めました。
二つ目は、上流に携わりたいと考えたからです。
店舗での接客業というのは、商流でいうところの川下の話になると思っています。
物が完成して自分の店舗に来るまでの流れを知らない中で、お客様にライフスタイルを提案していくのですが、この知らない部分をもっと知りたいと考えたんです。
上流にいくとお客様との距離は少し遠くなるとは思うのですが、川上を知る事で小売業の川上から川下まで一貫して理解することになるので、これは自分の将来の武器になると考えていました。
変な仕事は持ってこれない
――――そのような中でなぜ今の会社に転職されたのでしょうか?
まず前提、自分の母親が料理研究家ということもあって『食』には元々興味があったんです。
その前提のもと、転職した理由は大きく二つです。
一つ目は、一言で言えば自分が人にオススメしたい物だと感じたからです。
例えば外食が多かった人も、食器をプレゼントしたら最初は外で買ったものを盛りつけるところからスタートしてもいいですし、そこから料理が楽しくなって、料理が好きになって…というような生活の提案をしていけるような物だと感じたんです。
自分で物を作りそれを提供することによって人の生活が変わっていくのは面白いなと感じたんです。
二つ目は会社のコンセプトに感銘を受けたからです。
自社の利益よりも生産地の波佐見にとって価値があるのか、という点が全ての基準になっているんです。
売り手(小売り店)側から見た時に一番良いから大量生産を依頼する、ということではなく実際に焼き物を作る生産者にとってもそれが良い事なのかを考え抜くんです。
ですので、安価で大量に作れるから海外で作ろうという考え方は一切ない。
長崎の波佐見町で作ることに価値があり、それを世界のどこまで広げられるかを考えて行動するのは、実は凄くスケールが大きくて面白いんです。
『町』という単位は私が実感出来る限界ギリギリのサイズなんです。『国』だと私の中ではまだ想像ができないのですが、町レベルだったらこの仕事が町の人のタメになっているんだと感じられる。そうなると、『変な仕事は持ってこれないな』という風に感じられるんです。
――――今の担当業務を教えてください
ざっくり言えば、食器の見え方に価値を付ける仕事をしています。
欧米にもグループ会社があるのですが、それぞれの支社で販売出来るようにカタログやウェブサイトの作成をしたり、小売店のバイヤーが買い付けをするにあたって魅力的に感じるような写真を撮影したり、その他にも海外支社と協力して海外の展示会に出したり、本当に様々な事を担当しています。
後は商社のような動きもあります。プロダクトデザイナーとメーカーつまり波佐見町の窯元があって、その間に当社が入ります。デザイナーの方は窯元での製作工程の事は詳細には分からないし、窯元の方はデザイナーの事は詳細には分からない。2者の間に入って良い商品を作れるように全体最適を実現していくのも私の仕事です。
人の『良い感情』が集まる場所を運営する
――――将来やりたいことありますか?
最後は人が集まる場所を作りたいと考えています。
自分の企画で人が集まる場所を運営するというのが私の人生の野望なんです(笑)
ですので、例えば映画館や銭湯を運営したいですね。
人の生活に根付いているような『食事』とか『入浴』とか…そういったものを中心とした施設を作りたいという風に考えています。
銭湯の後の「さっぱりしたわー」とか「映画を観て泣いたわー」とか、そういう人の良い感情が集まる場所ってやっぱり気持ちいいもんね。
――――VIEWをやってみていかがでしたか?
VIEWは業界と職種のどちらを軸にして転職するのかを考えられるので面白いと思います。
転職の糸口が掴めていない方であれは、行き詰まる前に、もっと言えば転職のプロであるキャリアアドバイザーに会う前にとにかくやってみるのが良いと思いました。
VIEWの結果で全てが決められる訳ではないので、結果を見て「いやいや違うよ」と色々言いたくなる事もありますし、「やっぱりね」と納得することもあると思うんです。ですが、まずは業界や職種といったようなキーワードを認識して自己分析の種として活用するのが良いと思います。
私はインタビューを受ける手前、今いる業界が表示されなかったら怖かったのでやりたくなかったんですが、無事小売業界が一位に出てきて良かったです(笑)
――――誰かに何か伝えたい事があればお願いします
『今日どんないいことがあったかな』って考えてから寝ると、明日スッキリ起きられますよ。
――――VIEWとは
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