こんにちは。AIキャリアシミュレーションアプリVIEWのメディア担当の安達です。
本日は慶應大学在学中からベンチャー企業 にインターンで入社され、現在は北海道に本社を構える株式会社ファームノートにて活躍される秋山さんにお話を伺ってきました。
『スキルを磨くよりもまずは土台を固めなければ意味が無い』と仰る彼にその意味を聞いてみました。
――――自己紹介をお願いします
秋山宇泰(あきやま うて)と申します。
現在26歳なのですが、7年間慶應大学に通い、昨年ようやく卒業しました。
大学在学中に、あるベンチャー企業(以下、前職)でインターンとして働きだして、現在はファームノートという会社でUXデザイナーとして働いています。
簡単にファームノートのご紹介をすると、酪農・畜産に特化したシステム開発をやっているベンチャーです。
――――ファームノートについてお伺いしたい所ですが、なぜ大学に7年も通われたのでしょうか?
正直、卒業しそびれました(笑)
大学2年の時に前職のインターンに参加していました。参加した理由はTwitterで『新サービスの立ち上げのメンバー募集』というようなツイートを偶然見かけて、これだと直感的に思ったからです。
前職では5年半程勤務したのですけれども、途中でマーケティング部の立ち上げや営業マネージャーという責任あるポジションも任せて頂きました。その時になんというか、『仕事をしていないと、居場所がなくなってしまうんじゃないか』という不安があり、社内の方からも大学に行くように言われていたのですが、不安の方が勝ってしまい大学に行けませんでした。
ただ、卒業する約1年前に大学に全く行っていない事を不安視した父親が、会社に来てしまったんです(笑)
そういった事もあって、とにかく卒業することに決めて再度大学に通い始めました。そこから1年間大学に通ったのですが、勉強が楽しかったですね。
スキルを磨けば未来は明るいと思っていた
――――なぜ勉強が楽しかったのでしょうか?
働き始める大学までは勉強する意味が見いだせなかったんです。
ですが働いてみて、ビジネスの前提の部分が分からなくて、学問的な知識をインプットする必要があるのは実感として湧いていました。
当時は知識のインプットやスキルを磨くのに躍起になっていたんです。『スキルを磨けば未来は明るい』と思い込んでいた時期だったので非常に充実していました。
スキルよりも先に人としての中身を磨く必要がある
――――今はスキルを磨くことは重視されていないのでしょうか?
スキルを磨くのは非常に良い事ではあるのですが、その前に人としての中身、土台を固める方が良いと気付いたんです。
偉そうに言っていますが、これについては僕も最近ようやく気付いたんです。
いくらスキルを磨いたとしても自分の土台が築かれていないとそのスキルが乗らないんです。建築物と一緒で、土台がグラグラだったら柱というスキルが立たないんです。
――――『土台』というのはどういう事を指すのでしょうか?
多かれ少なかれ、成長のストッパーになってしまっている事ってあるはずなんです。
それは例えば過去のトラウマによって無意識に出ている行動の癖など、これはいくらスキルを磨いていても治らない。
ですので、まずは自分の癖というか、『自分はなぜこういう行動をするのか』という原体験とかルーツを掘り下げて、自分と向き合う必要があるんです。
――――秋山さんはどのようにその土台を築いたのでしょうか?
今僕が働いているファームノートは、『個人の内面を磨くのに投資する』と明言している会社なので、少し前の休日に瞑想のイベントに行ってきたんです。そこでインドにいる講師と中継を繋いで瞑想をしたのですが、そこで大きな気付きがあって…凄く抽象的な表現になってしまうのですが、心の鎖が外れたような感覚でした。
自分の一番の心の傷は14歳の時の事だと思っていたのですが、実は5歳の時の事だった事に気付いたんです。
あまりにプライベートに寄ってしまうので、内容については省かせて頂きたいのですが…これに気づいた瞬間に、パッと世界がひらけた気がしました。
自分の行動の癖が原因で良くない選択を取ってしまうことはあると思うのですが、内省することでこの癖や癖の原因を認識するだけでも価値があると思うんです。
20代の方は先輩社員などを見てスキルの差に焦りを感じる事があると思います。ですが、まずは土台を作ったほうが良いという点は早めに気付いて欲しいと思っています。
土台が固まらなければ、焦りが消えることはない
――――土台を築くことの重要性に気付いてから何か変わりましたか?
とにかく焦らなくなりました。焦らず、地に足を着けて仕事に向き合える感覚がありますね。
前職に入ったのも実は焦りが原因だったんです。
学生の時は『スキルを磨かなければ立派な社会人になれない』と勝手に思い込んでいました。
周囲の友人は非常に優秀でしたので、将来この人達と競い合っていくのか…と考えた時に、とにかく焦りがあったんです。
『自分がやりたいこと』が考えられていないにも関わらず、焦ってスキルだけを磨いていたので、どれだけ仕事をしても、どれだけスキルを磨いても、焦りが消える事はありませんでした。
仕事をこなしても虚無感しか無かった
――――前職で働いている間もずっと焦りがあったのですね
ええ、その通りです。
大学に通わなくなったのも焦りが原因なんです。仕事をしないとスキルが磨かれないと考えていましたからね。
前職に入社した当初から諸先輩方には、『もっとマインドを磨け』とは言われていたのですが、意味が分かりませんでした。当時はスキルを磨くことで皆から必要とされるような存在になれると信じていました。
スキルだけはひたすら磨いていたので、仕事を振られてもこなせていたので良かった面もあるのですが、自分がなぜこの仕事をやっているのかが分かっていないので、虚無感しかなかったですね。
――――そんな中で転職活動を始められ、どのようにファームノートを知ったのでしょうか?
前職時代に凄く良くして頂いた先輩がファームノートで働いていたんです。
その方はデザインエンジニアという領域のパイオニア的存在で、自分のやりたい事に本気で向き合っている方でした。僕はその先輩を当時から本当に尊敬していたので悩みを相談したんです。
今考えると浅くて恥ずかしいのですが、ビジネススキルとデザインスキルを掛け合わせた仕事をしたいと先輩に話した所、『じゃあうちに来るか』というお話を頂いたんです。そこから面接を受けてご縁があったので入社を決めました。
――――元々畜産に興味をお持ちだったのでしょうか?
過去に父方の実家で牛を飼っていたという経験もあったので、畜産の業界に興味はありましたが、農業に限らず一次産業はもっと伸びしろがあると考えていたので、この業界全体の課題を解決したいとは考えていました。
そして先輩への相談や面接を通して色々な話を聞いて凄く面白いと感じましたし、会社の掲げているミッションにも共感したので入社を決めました
先程お話した先輩と一緒に働きたい、と考えたのもファームノートに決めた理由の一つではあります。
――――ファームノートではどのような業務を担当されているのでしょうか?
大まかに言えばUXデザインを担当しています。
当社が提供しているFarmnoteというソフトウェアのプロトタイプの制作や、情報のリサーチ、場合によっては要件定義も担当しています。
あと、採用広報を勝手に始めました。勝手に始めたら社内で仕事として認められて僕が正式に担当することになりました(笑)
――――勝手に始めたのですか?
ええ、勝手に始めました(笑)
僕の場合は『うちのビジョンってこうだから、これで間違ってないですよね?』というスタンスでどんどん自分で仕事を進めています(笑)
【社内で仕事をする秋山さん】
――――そういった動きを良しとする社風なのですね
正直少し珍しい動きではあるのですが、この動きに対して上司は『自分が知らないところでこんなプロジェクトが動いているなんて、素晴らしい』という反応なんです。
すると社長も『自分が作ったビジョンに基づいて社員が動いている』ということで嬉しいはず。
社長がハッピーだとそれが伝わって役員もハッピー、役員がハッピーだとマネージャーもハッピー、マネージャーがハッピーだとメンバーがハッピー。
こうなると、そのメンバーが相対しているお客様もハッピーになるという良い連鎖が生まれるんです。
この連鎖でお客様に良いサービスを提供していきたいという雰囲気が社内に根付いているのが当社の良い所の一つだと思います。
人を元気づけられる存在になりたい
――――将来やりたいことがあれば教えていただけますでしょうか?
職業なのかは微妙ですが、明確に『人をとにかく元気にしたい』と考えています。
人の夢とかやりたい事を聞き出して、「あなたなら出来るよ!」って言って元気づけたい。
どんな人でも元気づけられる存在になりたいんです。
これを実現するために何かスキルが必要なのであれば、身につけたいと思いますが、まだ明確には見えていません。
ただ焦らず、じっくり考えていきたいです。
――――VIEWをやってみていかがでしたか?
手間なく簡単に出来るのが良いですね。
僕は特にロールモデルの内容が興味深かったです。自分の進んでいく道、進んでいきたい道が分かるのが非常に良いと思います。
現時点でやりたい事が分からないような人がやってみるのが良いんじゃないかな。
転職活動をするかしないかは別としてキャリアを考える時の導入として凄く良いと感じました。
業界と職種が組み合わさってランキングで提示されることで、抽象的なものが具体化されるので、キャリアについて考える際に良いツールになると思います。
焦るな、20代
――――誰かに何かお伝えしたい事があればお願いします
そうですね、2つあります。
一つ目は、『焦るな、20代』ですかね。
少し前の僕も含めて、躍起になってスキルを磨いている20代は沢山いると思います。でも、虚無感を感じていませんか?一度立ち止まって本気で自分に向き合ってみてください。
あともう一つが会社の選び方です。
会社を選ぶ時に年収を軸に選ぶ事もあるとは思うのですが、掲げている使命やミッションで選ぶことをお勧めしたいです。
会社の方針や事業戦略、その他の日々の小さな事象も含め、意思決定は基本的にミッションに基づいて為されるはずなんです。
そういった意味でハッピーに働きたいのであれば、自分と向き合った上でミッションに共感できる会社を選んで頂きたいです。
――――VIEWとは
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